ダイオードボードの故障対策としてラバーマウントからソリッドマウントに変更するキットが

販売されている。 以下は販売者と購入者のやりとりを意訳したものをベースにリライトしたものです。

 

質問者(購入者) : 私の所有するR100GS/PD用にソリッドマウントを数週間前に購入した。

取り付け作業の途中でフライホイールのギア磨耗について質問をするため懇意にしている

地元BMWショップに電話した。会話の中でスターターモーターを取外してラバーマウントをソリッド式に

交換する話に及んだが彼らは即座に“そんなことしちゃーダメ! BMWは、70年代しばらくの間、

ソリッドマウントを使っていたが振動でダイオードボードをぶっ壊すことを知ったんだ。”

そのため防振ラバーマウントにしたと反応した。そのうえ、ソリッド式はアルミの熱膨張でダイオードボード

マウントホールの亀裂の原因になるかもしれないと言った。取り外し作業中、上部左側のラバーマウントが

既に破壊されていたため交換するしかない。今となって随分と気になってきた。

もし純正部品よりも悪いものであれば販売すべきでない。なんらかの保証を希望する。

ソリッドマウントが原因してアルミヒートシンクの熱膨張によりダイオードボードの亀裂が起こったことが

あるか?

振動による故障が発生してラバーマウント式に戻したとき対策のアースラインを装着できるか?

現在、バイクはバラシたままであるがソリッド式を取り付けしたくない。

しかし新しいラバーマウントをショップに買いに行くには月曜日まで待たなければならない。

今日は週末である。是非、返事をいただきたい。

 

回答者(販売者): ソリッドダイオードマウントについては“心配ご無用”の単語しか持ち合わせていない!

ソリッドマウントによるダイオードボードのエンジン固定は6シリーズモデルから可能である。

整備歴25年の経験上、大量の5、6、7シリーズのモデルが純正のボッシュ製ダイオードボードの

まま実動していることが判った。 比較的ローギアリング設定の高回転域で高速巡航を意図された

R90Sからラバーマウント式が採用された。 振動の懸念はここから生まれた。 遅くても1978年から

全モデルにラバーマウントが採用されたがR80GS全モデル(1981〜87)にはソリッドマウント式を

採用している。 BMWは改善された新開発のラバーマウントからなぜ旧式に戻さなければならなかったか?

小排気量モデルでオフロード用ローギア設定のためより高い回転域の使用が想定され、より振動が多くなる

設定にもかかわらず・・・このモデルはオフロード走行が多く、充電系に大いに影響する6シリーズより

低回転域で使用されると彼らが知っていたためと推測する。 これらの条件下で最良の充電効率を得るための

対策としてダイオードボードシャーシから最適な放熱、ダイオードの電気的活動の結果生じる熱を取り除く

ためのヒートシンク放熱のためソリッド式を採用した。 

どんな電気機器でも高温になるほど効率は下がる、私の知る限り振動によるダイオードボードの唯一の損傷は

ハンダ外れである。(オーバーヒートによるハンダ融解後、ラバーマウントの強振動によりハンダが飛散)

ラバーマウントシステムはアース不足と放熱不足のふたつの問題を増幅される。

純正の外部アースラインでは不十分である。 クランクケースに接続される最新のアースラインでさえも

慢性的加熱状態においては不十分である。 ダイオードボードはラバーマウントシステムによって熱伝導の

とても悪い空間に吊るされている。 円筒形エアクリーナモデルの空気対流のないフロントカバー内で

ダイオードボードは電気的活動で生じる熱、アース不足による高い電気抵抗による熱を分散する能力がない。

1981年モデルから外部の空気を大量に取り入れられるようなスリットの多い構造に変更された。

ダイオードボード構成部品であるフェノール樹脂部分に亀裂が入った大量のダイオードボードを見てきた。

しかしこれは熱膨張によるものではない。 限度を超えた慢性的ダイオードボードのオーバーヒートに

よるものである。 特に不十分なアースケーブルを接続している上部2点のマウントホールに多い。

下部2箇所のラバーマウント損壊が稀のもかかわらず上部2箇所は頻繁に損壊していることで慢性的オーバー

ヒートであることを明らかにしている。 最後には結果が証明している。 2年以上にわたるマウントキット

の販売において私は一件の苦情も故障レポートも受け取っていない。 ソリッドマウントの装着で充電効率が

上がったとの反響があることも。 冗長な論文を許していただきたい。 良い製品に直面する誤った情報を

排除するために必要である。 私はエンジニアではないが長い間これらの機械に携わり何をすべきかを知って

いる。 最後に、ご購入有難う、またお役に立てることがあればお知らせください。

(高回転域を長時間にわたり使用するような今となっては特殊な用途に対してはラバーマウントは

もしかして有効かも知れないが現在のスポーツツーリング程度の使用環境においてはソリッドマウントの

メリットが多いように感じます : クリメカ)

※ 記載内容については何の検証もしていませんので不都合が発生しても保証できません。クリメカ