減速比判定法 (R50−69S)
ファイナルギアケース(通称:デフ)にはベベルギアの歯数が打刻されていますが必ずしも打刻通りには
なっていません。過去に側車を装着したとか、ギア故障のため内部ギアのみ交換されていることがあるから
です。
ギア比が低すぎてすぐに頭打ちして爽快感がないとか、適正な速度表示をしていなかったり、
またマイル表示をキロ表示のメーターに交換する際などには正確な減速比を判定する必要があります。
ドライブシャフトが剥き出しになっているR25−27、R51−68系ならユニバーサルジョイント部の
ダンパーリング(ハーディー・シャイベ)に基点のマークを付けて、後輪を一回転させれば正確な減速比が
確認できます。しかしオイルバス式のR50以降のモデルではラバーブーツに覆われているので同じ方法では
判定不可能です。
チョットだけ知恵を絞れば手も汚さず簡単に減速比を確認することが出来ます。
ユニバーサルジョイントのラバーブーツ部の前方を指で押さえると12角ボルトの頭に当たる感覚があります。このボルトはギアボックスの出力軸とドライブシャフトを4本で連結しているものでドライブシャフトボルトなどとも呼ばれています。リアホイールを一回転させる間にボルトは何個通過したかを数えればギア比が確認できます。
基点が判らなくならないようにホイールのエアバルブを基点にホイールを手でゆっくりと一回転させます。
仮にボルトが12回チョット通過すれば 12÷4=3で おそらく3.13であろうことが判ります。
同じように17回弱なら17÷4=4.25なので4.13の側車用ギアと確認できます。
もっとシッカリ確認したい場合はラバーブーツ(前方側)を外してフランジにマーキング、
後輪も基点に印をつけて測定すればより確実に判定できます。(作業後はシャフトオイルの補充を忘れずに)
実速度と表示速度に違和感がある、マイル表示からキロ表示メーターに交換する場合などには是非減速比を
確認してください。
多数派の3.13(25/8) − アメリカ最終モデルの3.37(27/8) −
官公庁モデル(R50Sも)の3.57(25/7) − R60側車用の3.86(27/7) −
R50・69S側車用の4.33(26/6)
そのほかにも極初期モデルの少数派ですが R50・69の3.18(35/11) −
R60の2.91(32/11) なんてのもあります。
補足説明: 3.13(正確には3.125)は3回転と0.13回転のことなので
3回転と1/8回転になり、フランジ直径が70_なので円周で約200_に、
その1/8で25_と算出できます。
測定時にはホイールを同じ方向に回転させてください。(バックラッシュによる誤差をなくすため)