バルブステムシールをエンジンの寿命という観点から考えると

一時期、XXXのエンジンは過剰品質だというのが通説でした。構成部品の多くが仮に100万キロの

耐久力があってもひとつの部品が1万キロの耐久性しかなければそのエンジンの寿命は1万キロです。

1万キロごとに部品交換をしなければなりません。

ステムシールの(未)採用は当時のメーカーの姿勢、エンジニアの考えが根底にあるのではないでしょうか?

旧OHVが設計・生産され始めたのは1960年代後半(生産は1969年から)当時のゴム製品の耐久性と四輪車に比べて熱的に過酷な空冷エンジン、仮に採用して、3万キロでオイル下がりを発生することになればエンジンの寿命は短くなります。たかが数百円の部品であっても整備工場へ持ち込まなければなりませんし、人跡未踏の地であれば部品入手も不可能です。一定以上の性能が末永く維持できるように設計されていたのではないでしょうか。

ピストンリングの話があります。リングは気密性の保持、オイルの掻き落としなど役割があります。この役割からいけばリングの張力が大きいほど良い仕事をします。しかし張力が大きければリングの磨耗が早いことは当然ですがシリンダーもドンドン削れていきます。したがって性能を維持するには定期的なボーリングが必要になるわけです。ピストンも同じでボアが一緒でもタッパの短いものの方が軽量でピックアップがよくなるハズですが、首振りするので寿命は短くなります。ギャンブルレーサーのように短時間だけ最高のパフォーマンスを発揮できればすべて良しならばそれで問題はありませんがBMWは違う考えだったのでしょう。だからビーエムダブリュー偉いとは言いませんが、、、

 

NASAのスペースシャトル計画以降、ケミカルや新素材の発展は目覚しいものがあります。現在のハイテク部品なら性能も飛躍的に向上して足かせにはならないのでは?

 

1969年のR50/5から最終モデルの1996年のR100ミスティークまでBMWは

結局ステムシールを採用しませんでした。