低速片排症状
旧Rシリーズは(500cc/600ccの)一部車種を除き負圧式キャブレターを装備しています。
コンベンショナルなVM型のようにスライドピストンを強制的に引き上げていないため、負圧が低い場合に
左右ピストンの上昇具合が合わない事が良くあります。つまり片排状態で走行していることになります。
原因の多くはブローバイガスに含まれるオイルミスト(霧状油含有気体!?)によるものです。
カーボンなどが混入したオイルミストがスライダーに付着して(温度変化で)粘着層に変わります。
エンジンを始動して負圧が発生しても粘着層の抵抗のためバキュームピストンがスムースに上昇しません。
回転が上がりより強い負圧が発生すると抵抗に打ち勝って左右のピストンが均等に運動するようになります。乗車機会が少ない車両ほど顕著に発生するように思います。
対応はエアクリーナーパイプを外してエンジン稼動状態で市販のエンジンコンディショナー
(キャブレタークリーナ)を吹きかけます。レーシングしながら左右同じように吹きかけるとキャブレターが生き返ります。煙とニオイがきついので家族からクレームが付かないように注意!
汚れの強く上記の方法で改善されない場合は面倒でも分解して部品ひとつひとつの洗浄と
点検が必要になります。