プラスティックのお面 (ウラル・ドニエプル)

近年のモデルは軽量化やコストダウンのため金属部品から樹脂製部品に変更されていくケースが

多くなっています。エンプラと称される新素材の開発、追加の機械加工がいらない精密金型技術、

また樹脂部品にクロームメッキ処理が可能になったことなども拍車をかけたようです。

傾向としてクラシック風のモデルには安っぽい雰囲気になるので樹脂部品を敬遠するようです。

 

ウラルの電装カバー(エンジン本体前方上部のオデコにあたる部分)もかつては金属製のみでしたが

近年、樹脂製品もあるようです。金属製の方がエンジン本体と一体感があって美しいのですが

大きな落とし穴もあります。

 

加速不良、アイドル不良などの原因が金属製電装カバーに由来していることがあります。

導体であるアルミ合金製カバーは漏電を誘発させやすいのです。

 

注意個所 

01、イグニション・コイル一次側端子:コイルの両端に位置しているため電装カバーやクランクケース(正確にはタイミングギアケース)に接近している。コードの取り回しや端子の向きなどでは直接接触する場合もある。

02、二次側端子:ハイテンションコードの取り出し部:電装カバーを被せると必要なクリアランスがなくなることも

03、ハイテンションコードが外部に出てくる個所:精度不良などによりハイテンションコードが潰されることもあります。

04、プラグキャップ接合部とクーリングフィン:プラグキャップ接触(ねじ込み)不良やコード劣化でフィンにリークすることも

 

チェック方法  

端子・配線周辺をチェック:アークが飛んだ跡(黒色のボツボツや塗装ハゲ)が残っていることも

端子の緩み、被覆の焦げ、端子の焼け

電装カバーを外してテスト走行 (比較走行)

 

原因と対策

圧着端子の緩み : ペンチなどで圧着させる

端子の位置 : ペンチで位置を修正、絶縁テープ処理

配線の取り回し : 結束バンドなどを活用

配線の劣化(ヒビ、変色): テーピング、必要に応じて配線交換

カバー肉厚のバラツキ : 近接部はリューターで切削 絶縁テープで保護