ウラルの停電

セルスターターを稼動させた瞬間にすべての電源が落ちる現象は比較的頻繁に発生します。

ウラルにセルが装着されたのは1995年頃からで現在でも輸出用の一部モデルにしか装備されていません。

電装はセル付きもセルなしの標準モデルも基本的に同じのようです。セルモーターを稼動させるためバッテリーから大電流が流れます。始動回路内で電気の流れが限定されていれば何の問題も発生しないのですがアースを介して他の回路まで電流が流れるようです。すなわちキック仕様のモデルにはありえない電流が回路に流れるようでボルトの緩みやアース不良によって接触面が少ない、接触圧力が低いなどがあると接触面が大電流のために顕微鏡的に融解します。融解すると断線と同じことになり不通になります。

 

フューズボックスで不通になるケースが多くあります。フューズ自体を見ても溶断はありませんがホルダーのテンションが低いためとフューズの接触面の加工が悪く点接触になっているため不通になります。フューズを指で回転させると(新たな接触部分ができるので)回復します。ホルダーの爪を内側に癖をつけて接触圧力を上げることも対策のひとつです。バッテリーのターミナルが緩んでいても同じ症状になります。先日もBMWのターミナルが緩んでいたためジュール熱のためバッテリー端子が融解していたケースがありました。

 

ウラル社もセル付きの経験が少ないので対応が遅れているようです。

アース不良(容量不足)なのでセルモーター取付け部から直接バッテリーマイナスターミナル

(またはボディーアース部)へアース線を引くと改善されるようです。 セルモーターに行っている

プラス線と同じ径以上のケーブルが望ましい。

 

発生個所

フューズボックス

バッテリーターミナル

ボディーアース部

イグニションスイッチ

 

対策

ボディーアース部のペイント剥離・接続面の平滑化(接触面を増やす)

ボルト・ナット交換でトルクアップ(接触面を増やす)

アース線の増設

フューズのバイパス化

 

国産車などを調べてみるとアースを取っている個所(フレーム)は塗装をしていないなどの

対応がなされています。ウラルの場合はここらへんがチョットいい加減です。